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About

SEEラーニングについて

about SEE Learning

SEEラーニングの学びとは

SEEラーニングは "Social, Emotional and Ethical Learning" の略にあたり、"社会的・情動的・倫理的知性の学び" と訳されます。その特徴のひとつには、体験を通して「身体で感じて、ふり返り、修得していく学び」であることが挙げられます。

 

従来の学校教育では、決まったルールのもとにテストや成績といった短期的な目標のために学習し、解答が正しくなければ減点されるというあり方が、一般的であったかもしれません。そこでは、学習者自身の心や身体の感覚や感情、そして、他者とのあいだの関係性に注意が向けられることはあまりありませんでした。

異なる価値観や文化・風習が混ざり合う世界において、私たちがしなやかに、ウェルビーイングに生きるため、SEEラーニングでは自分自身と他者、社会、そしてより広いシステムと関わりながら、共に花ひらく力を育みます。

 

身体感覚を大切に、試して、感じて、ふり返るーーその積み重ねによって、一人ひとりが "自ら" そして "共に" 気づき、学んでいく道を歩みます。

 

SEEラーニングはすべての人に開かれており、学び手と教育者、双方をサポートするツールを提供しています。一部のカリキュラムやワークシートは <Download> ページより無料でダウンロードいただけます。

社会的、感情的、倫理的知性の学びと探求へ
みんなとつながる "わたし" のことと
わたしとつながる "みんな" のこと
​いま 感じることから、はじめよう
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Social, Emotional, and Ethical Learning
The Science of Compassion.
The Cultivation of Awareness.
The Tools of Engagement.

The Future of Education.

背景

 

2020年、瞬く間に世界中に広まったウィルスは、人間社会のあり方を大きく揺さぶりました。気候変動により自然災害が地球の各地で発生していることも、地球の生態系とそれを構成するあらゆる存在が相互依存していることを伝えています。

 

しかし、国家間や民族間の対立や、「私」と「他者」の分断から生まれる暴力は絶えることがありません。今、私たちが直面している地球規模の課題に取り組むには、そして人間の本来の幸福(ウェルビーイング)を追求するには、根本的な人と人との関係のあり方や、人がこの地球でどのように「共に在る」かを問い直す必要があるようです。それは、まずは一人一人が自分自身の内側の声を聴き、自分自身を知り、大切にするところから始まります。

 

次のダライ・ラマ法王の言葉が示すのは、人間同士、また、人間と他の生きもの(自然・地球)は対立するものではなく、ひと繋がりのなかで支え合っているという存在論、世界観への転換が必要であるということです。SEE ラーニングという教育プログラムの根底には、そうした問題意識と倫理体系が存在しています。

私たちはみな 相互に繋がり合っています。今、私たち、そして未来の世代が直面している課題を前に、国家、民族、宗教の境界を超えた協力が求められています。お互いを競争相手や敵対者としてではなく、同じ惑星に住む兄弟姉妹として受けとめ合う–––そのための新しい考え方が必要です。相互依存性を認め、対話と協力を通じて問題を解決し、変化を促す。コンパッションは、親しみのある同類の人たちに限られたものではあってはなりません。コンパッションの範囲は、共通する人間性にもとづくあらゆる人へと広げられる必要があります。

ダライ・ラマ法王

The Dalai Lama,

23 January 2019  Foreword to the SEE Learning Companion

SEEラーニングは、20年以上にわたる米国エモリー大学とダライ・ラマ法王との協働により、数々の科学者・教育学者・思想家等の研究・開発のエビデンスとその成果をもとに生まれました。

 

2019年に教育現場での実践が始まって以降、多くの教育機関や活動の場に取り入れられ、現在、実践の場は25カ国以上にわたります。

 

<SEEラーニングを支える要素>

  • 注意の練習

    自分の内面世界をありのままに見つめ、注意の手綱を取れるようになることを学びます。
     

  • 倫理

    やさしさとコンパッションは、自分と他者の両者にとって、心理的・身体的・感情的によい影響をもたらします。他者に共感し、状況や気持ちを理解しようとするだけでなく、関心をもって相手に思いやりを向けていくことも学びます。
     

  • トラウマ研究

    トラウマ研究の成果を取り入れ、教師と生徒が、感情、自己統御(ケア)、自己内省を安全で効果的な方法で行えるような教育・介入法を提示しています。「身体の教養」を身につけることを目指し、自律神経系やストレスについての基本的な知識と基礎的な身体的ワークを学びます。
     

  • システム思考と相互依存関係の理解

    すべての個は、大きな網の目の一部として存在していて、すべてのものや出来事は、他のものや出来事との関わりのうえに互いに影響し合いながら成り立っています。グローバル化する社会において、異なる地域や文化風習と関わりながら、いかに協働関係を育んでいくかは、大切なテーマです。SEEラーニングは、実践を通して関わり合いを学びながら、ウェルビーイングの土壌を育みます。

9つのフレームワーク

SEEラーニングのカリキュラムを最も的確かつ包括的に表しているのが、SEEラーニングのフレームワークです(下図参照)。学びを通してどのような能力が育まれるかを図式化したものです。

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縦軸の 3つの領域(ドメイン)個人社会・システム ] と、横軸の 3つの側面(ディメンション) [ 気づき・コンパッション(思いやり)・関わり ] 、そして、これらが構成するそれぞれの要素は、互いに影響し合いながら相互依存的に成り立っています。

 

どのようなテーマの学びが必要とされているか、望みがあるか、また、どのような課題があるかを探る際にも、参照先として「フレームワーク」を活用ください。

3つの領域
domains
  • Personal|パーソナル(個人)

自分の感覚や感情、ニーズを知って、自分自身と仲よくなることを「感情リテラシー」といいます。

 

  • Social|ソーシャル(社会)

他者との関わりを学びます。ここでの社会(social)とは、人との関わりを指しています。 

 

  • System|システム(システム)

自分や相手へのコンパッションのみならず、よりひろがりのある関係性を体験的に学び、理解を深めます。

3つの側面
dimension
  • Awareness|アウェアネス(気づき)
    - 自分の思考や身体感覚、感情への気づきと理解。
    他者の感情やニーズへの気づきと理解。
    相互関係性や共通する人間性への気づきと理解。 

 

  • Compassion|コンパッション(思いやり)
    - 相手の苦しみが和らぎ、取り除かれるようにと願う気持ち。
    - 相手のウェルビーイングを真に願い、相手に向ける優しく温かな気持ち。 

 

  • Engagement|エンゲージメント(関わり)
    - 自分、他者、そしてシステムにおいてつながる行為。
    - そのような行動に関わる能力。

それぞれの要素は相互に関係するものとして、全体を理解することが望まれます。まずは問題に「気づき」、それに対して「コンパッション(思いやり)」の気持ちを向けて、解決をしたいという意志を持ち、実際に行動をとる(関わる)ことが必要です。この3つのステップは、相互に作用する「頭・心・手」に重なります。 

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